カルレッツ®について
カルレッツ®パーフロロエラストマーは、米国デュポン社が開発した新しいエラストマー材料です。
このエラストマー材料は、テフロンフッ素樹脂のもつ優れた耐薬品性、従来のフッ素ゴムを上回る耐熱性を有し、さらにゴムの持つ弾力性を兼ね備えた画期的な製品です。
カルレッツ®パーフロロエラストマーとは
高温でもゴムの特性を失わず、耐薬品性をもった合成ゴムです。
エラストマーの弾力性とシール特性、テフロンの耐薬品性・熱安定性をもった画期的なエストラマー素材がデュポン社によって開発されました。
それがカルレッツです。
真空下でもガス発生が少なく、エーテル、ケトン、アミン、酸化剤など、さまざまな薬品に対して耐久性を発揮、さらに腐食性流体と接触した状態での超高温使用でもそのゴムの特性を失いません。
そのため、半導体製造、化学薬品輸送機器、原子力、航空機関連、エネルギーなどの分野で広く活用されています。
カルレッツ®パーフロロエラストマーの特性
カルレッツパーフロロエラストマーの耐久性は、従来のフッ素ゴムでは使用が難しいかったエーテル類、アミン類、ケトン類、酸化剤、有機溶剤、燃料、酸、アルカリなど、ほとんどの薬品に対して安全性を示し、耐熱性(JISK6301などの圧縮水久ひずみ試験の結果に基づく)においては、300度近くの高温にもゴムとしての物性を物性を保ちます。
このシール材は、テフロン(この名称もデュポン社の商品名です。)-4ふっ化エチレン樹脂のもつ優れた耐薬品性とふっ化エチレン樹脂及び従来のフッ素ゴムを上回る耐熱性(300℃近くの高温でもゴムとしての物性を保ちます。)をもっています。このため従来使用が難しかった部位での使用も可能になり、度重なるシールの破損によるメンテナンスから解放されます。
また、デュポン社という高い安全性と信頼性もあり、求められるシーンは多くあります。
そのため、カルレッツ®部品は、シールの破損による生産ライン全体の中断を最小限に抑え、メンテナンスの費用を大幅に削減できる製品です。
カルレッツ®の利点
【1】 メンテナンスコストの減少。
【2】 プロセスストップ時間の減少。
【3】 より単純化されたシールデザイン。
【4】 より高い安全性と信頼性の確保。
【5】 他のシール材では不可能なところでも使用可能。
カルレッツ®製品のラインナップ
8002
8002
硬さ (ショアA) | 69 |
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耐熱目安 (℃) | 275 |
充填材を一切含まず、プラズマ照射時にパーティクルの発生がほとんど無い材質。
耐熱性にも優れている。あらゆる種類のプラズマに対して、耐プラズマ性および、耐熱性に優れた材質。
4079
4079
硬さ (ショアA) | 75 |
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耐熱目安 (℃) | 316 |
強酸、有機酸を含む一般耐薬品性に優れたカルレッツ®の標準材質。
高温使用時における圧縮永久歪みが最も優れる。アミン類には要注意。
熱サイクルでの使用は280°Cが望ましい。
9100
9100
硬さ (ショアA) | 74 |
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耐熱目安 (℃) | 300 |
フッ素系・酸素系プラズマ両者の耐プラズマ性能を保有し、非常に優れた低パティクル・放出ガス特性をもっている。固定部・稼動部に関わらず、優れた機械特性とシール性能を示す。
1050 LF
6375 UP
6375 UP
硬さ (ショアA) | 75 |
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耐熱目安 (℃) | 275 |
アミン類に対して最適の材質で、幅広い腐食性流体に対して耐薬品性が優れた材質。抽出物が非常に少なく、ウェット用途に適している。
*JIS6253のスラブによるテスト
**ASTM D2240ペレットによるテスト
カルレッツ®の耐熱特性
カルレッツ®以外のエラストマーでは、フッ素ゴム、シリコンゴム、他社製パーフロロエラストマーなどが比較的耐熱温度が高く約200°Cまでの温度に用いられますが、200°C以上の温度に対してはカルレッツ®のみが使用可能の実績があります。材質カルレッツ®8900はカルレッツ®の各種グレードの中で最も耐熱温度の高いタイプ、カルレッツ®8475は白色で熱線(赤外線)の吸収が少なく、シール特性、放出ガス特性を向上したタイプ、カルレッツ®8002は充填剤の入っていないノンフィラータイプ、カルレッツ®8575は耐プラズマ性も兼ね備えたタイプ、カルレッツ®4079は約30年の実績を持つ耐熱材料です。
尚、カルレッツ®と他社製パーフロロエラストマとの耐熱特性について比較したデータは次のとおりです。